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ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち

ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち

ダイムラー・クライスラー ― 世紀の大合併をなしとげた男たち

1995年4月、クライスラー最大の株主であるカジノ王カーク・カーコリアンは、同社会長のロバート・イートンにクライスラーの友好的買収を働きかける。交渉の電話で、カーコリアンはイートンから同意が得られたと判断し、そのまま買収計画を発表する。ところがイートンの本心はまったく逆。「乗っ取り」に徹底して対抗する態度をとるのだ。この誤解が、7週間に及ぶ双方の熾烈な攻防を生み、クライスラーの進路を変えさせる。カーコリアンとの和解の後、イートンは、会社をより強大にするために他社との合併の道を模索。そこに大衆車市場への進出を企てていたダイムラー・ベンツが急接近する。交渉は秘密裏に進められ、数々の条件がすり合わされた後、双方はついに1つの結論にたどりつく。「対等合併」である。しかし、ダイムラー会長ユルゲン・シュレンプの真の思惑は、さらにその先にあった…。

本書は、世界を揺るがしたダイムラー・クライスラーの合併劇を、当事者へのインタビューをもとに再現したドキュメントである。世界的な業界再編の流れに拍車をかけたこの大合併が、何を目的に、どういった経緯で行われたのかを、関係者の言葉や再現された数々のシーンによって鮮やかに描きだしている。技術者出身の寡黙な経営者であるイートン、豪腕経営で知られるドイツ産業界のカリスマ、シュレンプ、自動車業界の伝説的人物リー・アイアコッカ、乗っ取り屋のカーコリアンなど、そこに登場する男たちはみな通常の枠に収まらない、飛び抜けた個性をもつ者ばかりである。

産業界のグローバル化が進行するなかで、ダイムラー・クライスラーの「実験」の意味は計り知れない。一方は伝統と格式を重んじるドイツ最大の企業、他方は「けんか好き」で知られるアメリカの偶像的企業。この異質さがどう溶けあうのか。これから企業が負っていく課題の実質を、本書は知らせてくれる。(棚上 勉)

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いまだ途中の自動車産業の合従連衡劇の一幕

クライスラーとベンツの対等合併が結局はベンツによるクライスラーの併合であったことが今では明かであるが、本書にはその過程が明らかにされている。

アメリカとドイツの文化の違い、乗っ取りをも含む株主の意向、社内での権力闘争、役員の個性など興味深く読ませる。

またダイムラー、いやシュレンプはやはり日産が欲しかった事も明かにされており、その交渉過程もサイドストーリーになっている。

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