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猫の建築家
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猫の見るもの
ロウ紙のような渋みのある、それでいて寂寥な画面。添えられた文章には少しだけ、哲学を。
絵と文と哲学。本を構成するバランスが美しい作品です。
路地の奥に見えたり、垣根のそばに潜んでいたりして、稀に私たちの前を横切る猫たち。
彼らは何を考えているのだろうか?
私たちの背中を見て、何を思うのだろうか?
それとも私たちの見えない先を、見ているのだろうか。
文庫版も出ていますが、在庫があるようでしたらぜひハードカバーをお勧めします。
美について
猫の建築家。
猫が建築家なんて・・・と。
でも、そこにある世界観、人のあるべき生き方、もののあるべき姿、
そんなことを彼らから学ぶことができる。
絵も話の流れにあわせて微妙に変化してゆく。その変化をじっくりと見極めることも、また、何かを学ぶ切欠になるのかもしれない。
人間がその頭で見る世界は、それぞれ違う。ましてや、その認識が同じであるはずはない。いかに既存の枠に、教えられてきた知識に雁字搦めになっているか、それがよく解る作品だと思う。
組む相手によって詩的世界も異なる
2002年10月リリース。
佐久間氏の絵とささきすばる氏の絵では大きく森博嗣の絵本の詩的世界は大きく違うなぁ、というのが一番の感想である。絵本の世界の詩的インスピレーションが組む相手によって大きく違ってくるというのは、まるでミュージシャンが組む相手によってまったく違った音楽を創り出すのに似ている。詩は絵の持つ世界を増幅させる役割のものなのかもしれない。
どこかノスタルジックな佐久間氏の絵にインスパイアーされた森的詩的頭脳は素晴らしいコトバをその絵に付加し、素晴らしい絵本が出来上がる。その作業はどこか『理系』である。(●^o^●)
理工系の詩
植物は感情だけで生きているのかもしれないという話を聞いたことがある。そうすると動物は欲望だけで生きているのだろうか。いずれにしてもそこにあるのは現在だけなのだろう。ところで猫は知覚で生きている。少なくとも森博嗣が書き、佐久間真人が描く猫は知覚で生きている。厳密にいえば、数覚と視覚で生きている。生まれながらの数学者にして純粋美学者としての猫。英訳で読むとなおいい理工系の詩。
哲学出来て、和める絵本。
人気ミステリ作家の森博嗣と、新進気鋭の画家、佐久間真人のコラボレーション絵本です。
これは、先に佐久間氏の絵があり、それを並べ替え、森氏が文章をつける、という行程で作られたそうですが、佐久間氏のどこかノスタルジックな雰囲気が漂う暖かい絵と、森氏の哲学を感じさせる詩的な文章が見事にマッチしています。
佐久間氏の描く、愛らしい猫たちも魅力的です。
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