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At Basin Street

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駆け抜ける全力疾走

このロリンズは一回目のスランプ(一説によると薬物依存)
で引きこもっていたのをローチが説得してバンドに入れたもの。
油井正一などはランドとの比較でこのロリンズを
評価していなかったのでその影響を受けた言説がいまだに
尾を引いている面もあるのではと思いますが
先入観の無い耳で聴いてみてはいかがでしょうか。

ともあれこのあたりの録音はもはや文化財ですから
結果的にブラウンローチが気に入ろうが気に入るまいが
ジャズが好きならば聴いておかなくてはいけないという一作でしょう。

目の前を全力で駆け抜けて行く一瞬の姿を捉えようと
引っ張り出しては聴き返しています。

エマーシー盤のブラウンローチ(抜粋)
1954 「ブラウン&ローチ」「インコーポレーテド」「with ダイナワシントン(jam)」
    「with ヘレンメリル」「with サラボーン」
1955 「スタディー イン ブラウン」
1956 「アット ベイズンストリート」

舌平目のムニエル

ロリンズの名前で買ってはいけない!

プレスティジの「ロリンズ・プラス・フォー」の姉妹編アルバムで、こちらはブラウン=ローチの名義になっている。
飛ぶ鳥を落とす勢いのブラウンに、当時絶好調(だったはず)のロリンズを組み合わせた、ファンならずとも食指を動かされる豪華組み合わせの実現だったが、残念ながらロリンズに期待するとがっかりするので、あくまでブラウン=ローチを聴く作品として味わって欲しい。ブラウンは時に火を噴くような熱演ぶりで、素晴らしい即興を聴かせてくれるからだ。
「ワークタイム」「サキソフォン・コロッサス」はもとより、マイルスとの共演などで、当時抜群の演奏を披露していたロリンズなのに、ブラウン=ローチとの組み合わせではいったいどうしたことだろう。敬愛するエリントンの前で、緊張の余り凡演を残すことになったミンガス(「マネー・ジャングル」)とともに、”猿が木から落ちた”決定的瞬間をとらえた作品でもある。

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ブラウン、ロリンズの競演盤 ローチの夢と野望

マックス・ローチにとって、華やかで強力なフロントラインの完成こそ最大の課題であり、彼の目指すハード・バップコンボの理想の姿であったに違いない。自らがリズムの要を受け持っているゆえ、キャッチャー兼務のプレーイングマネージャのようなもので、あとはどれほど優れたピッチャーを擁するかに、かかっているようなものである。2管編成におけるトランペットとテナー・サックスというフォーマットで、クリフォード・ブラウンとソニー・ロリンズといえば間違いなく当時最高の組み合わせである。アドリブにおいて二人の右に出る奏者はいなかったであろう。当時引退中のロリンズを引っ張り出す事に成功したローチは、大いなる野望を持って、若く才能ある二人のホーン奏者と、この録音に望んだ。結果として、What Is This Thing Called Love?、Love Is a Many Splendored Thing、I'll Remember Aprilといった名演を産み、不滅の傑作をものにした。ブラウンのソロはことに素晴らしく、見事なタンギングによる超美技のアドリブを展開している。ところがロリンズの演奏は、当時のワンホーンの傑作、サキソフォン・コロッサスやテナー・マドネスなどと比べ、やや精彩に欠ける。むしろ、前任者ハロルド・ランドのほうが堂々とした演奏を聞かせているように思える。ロリンズほどの人物でも、ブラウンのすごさに萎縮していたのだろうか。それはともかく、ローチの夢と野望は最強のクインテットの完成へと向かっていた。マイルス・クインテットやジャズ・メッセンジャーズといったライバルにも負けないクオリティーをもっていた。しかし、ブラウンの死、ロリンズの気まぐれ(その後も、一時的引退をした)により、その実現は頓挫してしまった。かくして50年代の夢の顔合わせは夏の夜の花火と化したのであった。ローチ、ブラウン、ロリンズの数少ない夢の組み合わせを是非味わって欲しい。

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