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Chet Baker Sings
チェット・ベイカーの代表作として多くの人が真っ先にあげるのが本作。トランペッターだったチェットが歌うようになったのは50年代はじめのこと。そして歌手としての名声を確立したのが本作だった。
曲はおなじみのスタンダードばかり。しかしチェットが歌うと、そこに独特の世界が広がり、聴く者はついついその世界に引き込まれてしまう。そういう意味では、チェットの歌と演奏には麻薬的な魅力が潜んでいる。ジャズ・ヴォーカルにありがちな大胆なフェイクは行なわず、メロディをストレートに歌い上げるスタイルはいたってシンプル、それでいて味わい深い。まるで耳元で囁くようなソフトな感触の歌声はチェットの専売特許といっていい。いまでは笑い話だが、当時チェットの歌を聴いた人は、女性が歌っていると誤解したりしたものだ。中性的と形容されるアンニュイな歌声、その歌声とリリカルなトランペットのハーモニーが絶妙だ。チェット・ベイカーを聴くなら、なにはさておき本作から。(市川正二)
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安らぎ と ほのかな色気・・・
何度、聞いたかな・・・
"That Old Feeling"は歌詞カードを見なくてもすっかり歌詞を覚えてしまった。
最初聞いたとき、軟弱やな・・・と思った。
いつのにまにか、段々と聞く回数が増えていった。
何かあるたびに聞いてしまう。うれしいときも、寂しいときも。
不思議なアルバムだ。その両方をまかなうCDは僕の中で稀有だ。
彼はとても優しく歌う。
それは、彼がそういう風にしか歌えないからだ。
それがとてもナチュナルなのだ。
だから、とても安らかに感じるんだろう。
トランペットもまるで彼の歌のように囁くように吹く。
こういう表現は吹奏楽器ではとても難しい。
彼はそれをサラリとやってしまう。歌として”吹きたかったから”なんだろう。
かっこよすぎだ。
気負わないかっこよさ。
僕は、自分に持っていないものに永遠に憧れているのかもしれない。
I Fall In Love Too Easilyも○
アルバムのよさについては他のレビュアー様方のおっしゃるとおり。
一方で、他のレビュアー様は、特にMy Funny Valentineの素晴らしさについて語っておられますが、私は13曲目のI Fall In Love Too Easilyの方がもっと素晴らしいと思います。
チェット・ベイカーのボーカルの、すねた男のナイーブで青臭い部分と、この曲のメロディとの相性は、ちょっとないくらいにいいのですから。
My Funny Valentineが素晴らしい
30年前片岡義男の深夜放送を聞いていて掛かったのがこの曲。
レコード屋を探したけれども見つからず、何件か入ったJAZZ喫茶でもなかったのであきらめていたが、CDの時代になってすぐに手に入りとてもうれしかった。後年シナトラのMY WAYがヒットした時ついでにシナトラが歌うMy Funny Valentineを聞き、同じ曲なのにつまらなさにびっくり。是非チェットの歌声を聞いてみてください。素晴らしいですよ。
こりゃビックリだね。
このアルバムは一体どれほど前に誕生していたものなのか。なのに私はつい最近聴いた。勿論このアルバム、チェットの存在はずいぶん前から知っていたのだが、縁が無かったのだ。これを長年愛聴している方には、何を今更と言う方もいると思いますが、申し訳有りません、これはホントに素晴らしく美しい名盤です。
チェットのこの気だるく中性的な歌声、乾いたペットの音色。おそらく女性より男性に好まれるのではないでしょうか。何故か男独りの心にグイっと踏み込んで来る。すげぇアルバムだ。
買いです。
「真夏の夜のジャズ」を見て以来、ジャズは夏の季語のように考えているのですが、このアルバムも仕事帰りの車のなかでよく聞いていました。僕のような完全に後追いの者にはジャズと言えば以前は老人の酔狂のように思っていましたが、考えてみればこれらの作品が録音された50年代には老人も若かったわけですよね。ここには後年のチェットに感じる屈託や衒いが微塵も感じられず、安心して音楽に身を任せることができます。チェットの歌唱も、バックのウエスト・コースト然とした演奏も、ここで流れる時間のすべてががけがえのないモノクロの映像をたたえているように思えてなりません。
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