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ポエジー

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3000円の価値

奥村愛の固定ファンはもちろん、クラシック初心者にも好感されやすいCD。ジャンルを問わず、気楽に聞き流したい向きには良い。ただ、3000円の価値があるのかどうか。

奥村のいう「どクラシック」の曲は、抜粋曲を含め多く見積もっても3曲しかない。指揮者はクラシックの指揮者というより、ゲームのサウンドトラックなどを手がける「マルチ」な人物。クラシックから幅を広げ、クラシックらしきモノに落ち着くパターン――奥村と釣り合いが取れているが、クラシックCDとして3000円の価値はない。また、奏者の自負する“クラシック畑”のフィドルは中途半端で、クラシックらしきモノだから3000円で良いというわけでもなかろう。

一方、ピアニストで作曲家の加古隆の参加は心強い。
「ポエジー」をグリーンスリーヴスの編曲と書いているレビュアーがいるが、正確にはそうではない。この曲は中間部のピアノと弦楽合奏が印象的で、奥村のヴァイオリンはむしろ脇役かも知れない。「黄昏のワルツ」はコンピレーションCD「image」等にも収録されているが、細々とした雑音が多い。この点は、今回改善されている。ただ、新たな編曲が加えられ、今までの曲とは違う点には注意が要るだろう(個人的には原曲の方が良い。初めて編曲版を聴いたとき、編曲部を真面目に雑音かと思った)。「明日への遺言」は、オリジナルサウンドトラックにもオマケとして収録されている。

ボーナストラックの「愛のあいさつ」は、音源の違いによる音の違いが顕著。この曲は奥村の代名詞的に使われているが、やめてもらいたい。

スカルプD

オーケストラ・アンサンブル金沢、加古隆さんとの共演

ヴァイオリニスト奥村愛さんの2年半振りの新譜。特徴は、2作目『ロマンス』以来のオーケストラ・アンサンブル金沢との共演であること、ピアニスト・作曲家の加古隆さん(「NHKスペシャル 映像の世紀」「白い巨塔」等)が参加されていること、CDとSACD(5.0chサラウンド)のハイブリッド盤であることです。録音は石川県立音楽堂コンサートホール。

1.はイングランド民謡(グリーン・スリーヴス)の加古さんによる編曲。4.はスコットランド民謡。7.8.9.は映画音楽(順に『ミッション』『エンリコ4世』『明日への遺言』)。2.3.「リバーダンス」は同名のタップパフォーマンスの曲で、ギターやパーカッションが加わる。この曲はクラシックのイメージではなく、前半にあるため少し違和感がある。純粋なクラシック以外の曲が多いのもこのCDの特徴で、バラエティに富んでいるとも言えるし、好みには合わない人もいるだろう。

6.「ヴァイオリン協奏曲第1番(ブルッフ)」は第2楽章のみ。個人的には、ヴァイオリン協奏曲の全曲をCDでも聴いてみたい。8.「タンティ・アンニ・プリマ」10.「黄昏のワルツ」11.「愛のあいさつ」はデビュー作にも収録されている曲のオーケストラ・バージョン(デビュー作ではピアノの伴奏のみ)。「愛のあいさつ」はオーケストラ・バージョンの生演奏を聴いたことがあるが、ピアノ伴奏よりもずっと良いと感じた。但し、CDは生演奏に匹敵するとまでは言えず、その魅力は十分には伝わって来ない。奥村さんのオーケストラとの共演の演奏会は多くはないが、今後は機会を増やして欲しいと思う。

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