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Steamin' With the Miles Davis Quintet
Steamin' With the Miles Davis Quintet
1956年5月11日と10月26日、この2日間でマイルスはアルバム4枚分の録音を行なった。プレスティッジとの契約を消化するための突貫作業のレコーディング。これをマイルスのマラソン・セッションと呼ぶ。それらは『クッキン』、『リラクシン』、『ワーキン』、そして本作に分散収録されており、いずれもが名盤として定評がある。コルトレーン、ガーランド、チェンバース、フィリー・ジョーを擁したマイルスのオリジナル・クインテットがいかにすばらしかったかがよくわかる。
しかし、その活動期間は短かった。55年秋から57年春まで、約1年半。つまり、その間に本作をはじめとする4部作、「ザ・ニュー・マイルス・デイヴィス・クインテット」、コロンビア盤の「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」といった作品を録音したわけだ。これはもう、すごいとしかいいようがない。
本作ではミュート・プレイが冴える<1>が人気曲で、<3><6>はコルトレーンが抜けたワン・ホーン・カルテットによるリリカルな演奏となっている。(市川正二)
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結局、マラソンセッション四部作は全部聴くべし
50年代後半、飛ぶ鳥を落とす勢いのマイルス・デイビス・クインテットが、とびっきりのジャズを聴かせてくれる一枚。スゥインギーなピアノにバックビートを効かせた変拍子のドラムスと歌うようなベースライン。そこに絡む「卵の殻の上を歩く」と形容されるマイスルの繊細なミュートトランペット。マイ・ファニーバレンタインに負けるとも劣らないリリカルな「飾りの付いた四輪馬車」。後半に出てくるコルトレーンの力強いテナーが好対照の妙をなす。スタイリスト(自己の演奏スタイルを確立したジャズジャイアント)のマイルスらしいお洒落な(気配りの利いたヒップな面も併せ持つ)作品。続くディジーガレスピーのソルトピーナッツは、うって変わって火の出るようなアップテンポ曲。見事な一体感を生み出すカルテットの乗りに乗った演奏が楽しい。その他の曲も渋いところがたくさん収められていて聴き応えは充分だ。マイルスデイビスカルテット1955の美味しさ満載のナイスプレイだ。ハードバップ全盛期のエキスを全て吸い取ったような勢いのある演奏だ。消費されずに現代まで約50年間生き続けているのも凄い。全く録音当時の艶が色あせていないと言うか、時の経過と共に輝きを増した感じだ。マイルス・デイビス・クインテットの名高いマラソンセッションから生まれたこの「スティーミン」は地味ながらもハードバップの本質を捉えた名盤だ。残念ながら、マラソンセション四作中一番人気は低い様だが、「クッキン」、「リラクシン」は聴いても、これをオミットするはジャズの大事な部分を見落とすことになって勿体無い。
静かに幕を閉じる
マイルス・デイビスの最初のクィンテットによる不滅の4部作の最終作。このバンドが1955年に結成されたとき、それぞれの評価はこんな感じだった。中音域をふわふわした音で奏でるトランペット、音律の合ってないテナーサックス、カクテルピアニスト(この表現については定かではないが、調べると幅広い表現ができるピアニストとある。しかし英文の流れからすると批判的に聴こえるので音が多すぎるという意味か?いや、そんなふうには聴こえないが・・・)、うるさいドラムス、若すぎるベース。とにかく前評判はそれほどでもなく、このバンドがこんな功績を残すと予想した批評家はいなかったようだ。これだけのメンバーを上手にまとめ上げたマイルスのバンドリーダーとしての手腕は聴くものをうならせ感動させ、またこの4作を今日も名作に残した所以となっている。Workin' With the Miles Davis QuintetでAhmad's Bluesが演奏されていたが、マイルスは姉のドロシーにアーマッド・ジャマルを紹介されてから虜になっており、レッド・ガーランドにもアーマッドのように弾けと指示していたほどである。全作を通じてアーマッド的な雰囲気がかもし出されていて、即興演奏にも、バンド全体の流れにも深みが加わっている。最後のWhen I Fall in Loveはエンディングテーマを意識したのか、24曲のセッションは静かに幕を閉じる。
有名な1956年10月のマラソン・セッション
1956年10月26日の有名なプレスティッジであのマラソン・セッションで録音された4部作の一つ。
マイルスは不遇時代にめんどうを見てくれたプレスティッジにこの頃金銭的な不満を持っていて、それが原因でコロンビアと契約することになる。それが1956年のことでこの段階でマイルスはプレスティッジとの間にこの年のおしまいまでにLPにして4枚分作品を創ることを約束していた。これをわずか2日間で25曲、しかもほとんどがワン・テイクでOKという脅威のレコーデイングを行う。これが有名なプレスティッジでマラソン・セッションである。これが世に言うプレスティッジ最後の4部作(クッキン・ワーキン・スティーミン・リラキシン)だ。
マイルスはプレスティッジに16枚のアルバムを残しているが、この時の充実度は他に例を見ない驚異的なものだったと言えるだろう。
面白いのはプレスティッジのその後の対応だ。これから益々マイルスの人気が上がることを予想したプレスティッジは、その録音を年に1枚という超スローペースで徐々に世に送り出したのだ。まず、『クツキン』を1957年に、次の『リラクシン』を1958年3月に、次の『ワーキン』を1960年2月に、最後の『スティーミン』を1961年9月に出したのだ。この戦略はハート・バップからモードへと移り変わるマイルスの傑作がコロンビアから出される中大成功をおさめたのだ。
マイルスだけでなくジョン・コルトレーンを語る場合においてもこの4部作は一つとして外せない大傑作なことは言うまでも無い。マイルスはこの時のレギュラー・クインテットを結成して約1年。特にジョン・コルトレーンの成長がこの4部作を不動のものとしている。これを聴かずして何を聴くのか、と言える作品だ。
目立たない名盤、ジャケットも渋い!
同時期のクッキング、リラックシングの方がよく知られているのかもしれませんが、目立たない名盤だと思います。選曲も渋く、最後の「When I fall in love」以外は、さほど知られていないスタンダード曲。主にトランペットはミュートが入っていて、くつろいだ雰囲気が支配的です。何かに疲れた時、ゆっくり針を落としてみたい(実際にはCDプレーヤーにかけてみたい)タイトルです。やはり、Something I dreamed last night, Diane, When I fall in loveのバラードがお勧めです。
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