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ドリームボックス―殺されてゆくペットたち

ドリームボックス―殺されてゆくペットたち

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ペットブームの闇。年間約40万匹が殺処分されている現実

「著者あとがき」を読むと、動物愛護センター等を取材して書いた小説のようだ。小説だと頭では理解しても、
以下の箇所では涙した。

 残る三頭は母犬と共に市内の中学校の校門前に、段ボール箱に入れられて、置き去りにされていた。(略)
 子犬は母乳で育てられていたものの、一週間近くも水も餌も取れなかったと思われる母犬の衰弱は激しかった。(略)
 わが子は無事に救われた、とあたかも感じたかのように、母犬は三頭をそれぞれ舌で舐めてから息を引き取った。

一方、動物愛護センターに犬を引き取りに来た家族が、引き取りにきたはずの自分たちが捨てた犬ではなく、
隣の檻にいた「ダルメシアンを飼いたい」と言い出し、それを拒否されると捨てた犬を引き取りもせず、
職員の対応に怒って帰っていく場面には、体が震えるほどの怒りを感じた。

確かにペットショップに並ぶ犬や猫を見れば「かわいい」と思う。しかし、
命に値段を付け、車などのように物として売買するのは正しい行為だろうか。
ブームになった犬もブームが過ぎれば、まるで物を捨てるかのように捨てられ、
動物愛護センターで殺処分されている。
この事実を知れば、ペットショップで動物を買う行為を見直す必要があるのではないだろうか。

無責任に飼い主に捨てられた年間40万匹もの犬や猫が苦しみながら死んでいる。
飼い主ひとりひとりが「飼い主の責任」を果たし、またペットを飼っていなくても
一人でも多くの人がこの現実を知り、殺処分される犬や猫を減らす努力をしていく必要があると感じた。

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抜本的解決を求む

著者の「全盲の弁護士 竹下義樹」にも感銘をうけた。
小林 照幸なる人は陽と陰なら陰と思われている立場に視線を向ける人なのだろう。
この著者や著書に賛否はあるだろうが、本書ともども一定の敬意は表したい。
ただ本書もそうだが、捨てられる動物の問題に対して抜本的な提言がやや少ない。
問題を投げかけるだけでは「足らない」のだ。
「著者なり」のもっと具体的な愛護・保護手段を掲載することはこういう本には必要だと思う。
本書のような内容の本は他にもいくつかある。
しかし気づけば、読むのは犬好きネコ好き動物好きな人であって、動物を捨てる人は決して読まない。
まるでそれはテレビを見ない人にテレビで「テレビを見てください」と言ってるのと同じで、効果がない。
だから動物捨ての問題はなんら進展しないのだ。
まず行政(国家)が家族に犬ネコを迎える場合の法令での要件を早期に備えるべきだ。
・チップを挿入する(保全手段として)
・本書のようななんらかの捨て犬ネコ問題の書物を指定して購入を義務づける
・飼育登録時に動物救助資金を徴収する
などなど、、、。
それが出来ない、または、拒否する、というなら飼育を認めなければいい。
少なくとも捨てられる生きものたちを減らす方向は示せると思う。


読んでも重いものがずーっと残りますね

読んで反射的に感じたことが日本人への嫌悪感。生命や死に対する近視眼的でセンチメンタルでナイーブ
な考えというか、ペットに対して極端に振れてしまう感性に対して。無論、これを書いてる自分も決して例外
ではない。
ここに出てくる人たちは多分どこにでもいる人たち、特別な存在ではない。この本で書かれているようなことは
日本の日常的な部分が持つ問題。どこにでもいつでも起こること。先日も"絶壁犬"がマスコミで取り上げら
れ、この犬を飼いたいとの声が全国からあがった。
ただ、センターに勤める獣医師を主人公にして小説風に書く形式にしたのはナゼなんだろう?

殺処分の現実を訴えた価値ある一冊ですが

この著者は「子猫殺し」のエッセイを発表した坂東氏を擁護する発言を週刊ポスト(9/8日号)で行っています。
責任感のない飼い主によって猫が保健所やセンターに持ち込まれて殺処分されることは非難出来るが、飼い主が責任を全うする為に自ら手を下すことは非難出来ないとのこと。
猫に避妊手術をすることに抵抗がある為に生まれたばかりの子猫を崖下に投げ捨てて殺し続けてきたという今回の件に対して、怒りの声を上げずに擁護するコメントを発表した人物が書いた本ということを念頭に置いて読んで頂きたい。

彼(彼女)らが「ドリームボックス」内で見る夢はあるのだろうか。
あるとすれば、かつての飼い主たちとの幸せな一時期を夢見るのだろうか。

登場人物・経過等はフィクションながら、全体で見ればこれはノンフィクションと言える。
今、この瞬間にも捨てられる動物達が、処分される動物達が、そして彼らを処分する人間がいるのだ。
不幸であるのは処分される者・する者ともそれを望んではいない事であろう。

しかし最も不幸な事は、生き物を捨てる行為が止まぬ事であるのではなかろうか?
ペットショップの広告を見て安いだのカワイイだのと言っていた自分に吐き気を催してしまった。
巻末の犬たちの眼を直視出来ない。

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