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桂文珍(2)蔵丁稚/宿屋仇
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蔵丁稚・宿屋仇
このレビューを書く為に、米朝の「蔵丁稚」と聴き比べて見た。文珍は、この噺の稽古を米朝に付けて貰った様で、略同じ物であった。文珍は、米朝の物に、自分なりのアレンジを加えて笑いを作り出す工夫をしている。何時も感心するのは、その工夫が、決して過度な物では無く、極自然な言動である為、噺を壊す事無く奇麗な仕上がりになっている。噺自体は、文珍程の話芸が有れば、巧く出来て当然である。米朝の「蔵丁稚」は、オーソドックスではあるが、噺に凛とした気品が漂い、会場全体が爆笑する事は無いものの、聴衆が穏やかな気分で噺を楽しんでいる。ここに、文珍と米朝との格の差を感じざるを得なかった。「宿屋仇」も語り尽くされた噺で、工夫が難しい上に、一度聴いてしまうと噺の筋が見えてしまうので、やり難い噺である。文珍は、三人の旅人の会話と酒盛りの場面に、若干の工夫はしているものの、文珍らしい切れの鋭い脚色は見られない。但し、浪人の怒りが徐々に増してゆく心理描写と口調の変化は、文珍らしい巧さが見える。私としては、「蔵丁稚」であれば米朝、「宿屋仇」であれば枝雀をお勧めしたい。
落語ファンは聴かないと損をする「蔵丁稚」
「宿屋仇」「蔵丁稚」ともに芸の厚みを感じさせるいい出来である。特に「蔵丁稚」の文珍は秀逸。サゲに至る語り口は交響曲のエンディングを彷彿とさせる絶妙のリズム感であり、絶品。
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