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ディトアーズ

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聴き甲斐、語り甲斐のある作品

 アーティストの私生活とその作品とを結びつけることに批判的な人もいると思うが、本作はこの2年間に彼女の身に起こったことを知っておくべきだ。特に歌詞カードを片手に聴くことをおすすめする。
 その歌詞には前作発表後、彼女が体験した様々な事柄をあからさまに見ることができ、誰もが聴き進んでいくうちにすっかり感情移入してしまうだろう。サウンド的にもこれはもう露骨に「原点回帰」と評してよいほど、デビュー作を彷彿とさせるし、今回のレコーディングはもう一度音楽と自分の関係性を見直す作業だったに違いない。
 1時間続けてアルバムを聴いていると、脳天気なハッピーソングはないが、彼女の泣き笑い、悲しみやとまどい、喜びや慈しみを追体験することができる。あえて似たような感覚を覚えたアルバムをあげるとするなら、私には「ジョンの魂」が思い起こされる。そんな作品である。

おまとめローンで審査の甘い低金利ってある?

軽い気持ちでも何でもいいのでとにかく聴いたほうがいい作品

前作「ワイルドフラワー」から2年あまり。
内省的で落ち着いたその名作に対比するように、すぐにポップよりのアルバムを発表する、という予定でした。
しかし、このアルバムには、その幻のアルバム用の曲は1曲も入っていません。
なぜなら、シェリルの身にあまりにも辛い出来事が立て続けに起こったので。

普通の女性だったら、40代半ばという年齢からしても、立ち直るのに多くの時間を要するかと思いますが、彼女は違いました。
生後間もない男の子を養子に向かえ、現実と向き合いました。

そして生まれたのが、このエネルギッシュなアルバムです。
ロックの範疇に止まらず、雑多なものをすべてキャッチーに新しい音に創り上げてきたシェリル。
今回はアラブ音楽(!)を取り入れた「Peace Be Upon Us」が印象的です。

自らに噴き出した怒涛の感情を、音楽にする人は多くいます。
しかし、こんなに「音楽として楽しく」それを歌い上げることは、たいへん難しいことです。
メッセージは極めてストレートで、強く、それでいて重すぎず、繰り返し聴き続けてしまう軽快さを併せ持つ。

本当にその精神力に脱帽です。
その力を与えたであろう養子のワイアットくんの声が最後に聴こえると、何度も感動してしまいます。

アルバム1枚60分ちょっと、という内容もちょうど良い感じがします。
上質な音楽は時間に比例しません。

やっぱりカッコいい♪

楽しみに待っていたアルバム。
前作の「Wild Flower」も落ち着いていて好きですが、
今回のアルバムは、昔の彼女のアルバムを
聴いている錯覚を起こすような、そんな雰囲気。
アットホームで、カントリーで、カッコいいロックで。
個人的には、7曲目の「Detours」のカントリーな雰囲気が、
8曲目の「Now That You're Gone」の前奏でガラッと変わるところ、
そこからの曲の配置が好きです。
13「Love Is All There Is」のノリのいい明るいメロディー。
14「Lullaby For Wyatt」の切なく優しさにあふれた声。
15(ボーナストラック)「Rise Up」の爽やかなリズム。
この3曲の流れも好き。
何度も聴いて、どんどんよさが出てくる気がします。
ジーンズのようなカッコいいアルバム♪

まわりまわって1作目の作風

私はシェリル・クロウの今までのアルバムの中では前作『ワイルドフラワー』が一番好きだったので、あの路線を期待したのですが、全然ちがいました。
今回のアルバムタイトル『Detours』とは"まわり道"とか"遠まわり"の意味で、まわりまわって1作目の『チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ』に戻ったという感じ。
むしろ1作目より、フォークというかナッシュビルよりなサウンドですね。

2作目以降はセルフプロデュースでアルバム製作してきたシェリルですが、今作では、1作目を手がけたビル・ボットレルがプロデュース。
音作りは無駄な音を排して実にシンプル、オーガニックな音でシェリルの声を前面に出しています。
最初は地味だなあと思いましたが、3回通して聴いても耳が疲れず、バックでずっと流していたいアルバムです。

正直あまり売れるとは思いませんが、生後間もない赤ちゃんを養子に迎えいれ、ナッシュビルの田舎に移住したシェリルにはもうアルバムのセールスなんて興味がないのでしょう。
オリジナル版の最後の曲にあたる14曲目"ララバイ・フォー・ワイアット"はその養子に迎えた子供ワイアットへの思いがこめられています。
そうそう、前作『ワイルドフラワー』レコーディング時にもう1枚分路線の違うアルバム用の曲がすでにレコーディング済みで、じきに発売されると言われており、私は心待ちにしていたのですが、どうやらそれはお蔵入りし、今回のアルバムはまったくの新規にレコーディングされたそうです。

1作目が好きな人は買いです。

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