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対(TSUI)(紙ジャケット仕様)
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鬱が「夜」ならこちらは「昼」的なアルバム
リリースされた季節が春なので春になるとつい聞きたくなるのがこのフロイドの「対」だ。米英ともにアルバムは大ヒットし、同時期にロジャーが出した「死滅遊戯」の売り上げを遥かに超え、その後の世界ツアーも大成功だった。前作「鬱」で見られた悲壮感や終末観などまるでネガティブなイメージは少なく、さわやかな陽光をイメージする曲が目立っている。特に「極み」(ドリームアカデミーのメンバーが作曲にかかわっている)や「転生」などはこんな曲も書けるのかと驚いたほどこれまでのイメージを変えた曲だと思う。逆にシリアスな曲も健在で、デーブの夫婦喧嘩の会話を歌詞にした「俺から何が欲しいのか?」やファーストシングルで氷のような冷たいギターが冴える「キープトーキング」、リック作の「インサイドアウト」英国議会の鐘の音が印象的な「ハイホープス」など傑出した曲も多い。1曲目のインストではオープニングの蛙や虫のせせらぎが好きで、冬に虫のせせらぎが聞けない時期になると聞きたくなる。(僕の家は田んぼの中にあるので)
このアルバムのリリース当時に僕はかなりこれを聞きまくっていたが、僕の周辺にいる同世代フロイドファン(特に狂気やウオール好きなファン)には不評だった記憶がある。この作品と同じような系統の新作を待って12年が過ぎてしまった。ロジャー抜きでもいいから「対」パート2のような最新作がある日突然発表されることを心待ちにしていたらデーブの22年振りのソロがリリースされた。
美を追求した、わかりやすいプログレシブ・ロック
難解さはなく、美を追求したサウンド重視のプログレシブ・ロックといった印象。ギルモアのボーカル、ギターは十分堪能できる。前作「鬱」をポップにした印象で聴きやすい。前編美しい曲であるが、特に6・曲が個人的には気に入りました。また、8・曲はまるでポップロックのような明るいギターを聴かせてくれます。
形骸化した様式美
鬼才ロジャー・ウォータースのカラーを完全に払拭した、フロイド作品の中でも一番の聴き易さを誇る作品。何となく“ピンク・フロイドがピンク・フロイドを演じている”といった風合いの作品だ。楽曲の展開や全体のカラーが『Wish You Were Here』に似ていることから、世界的にも大ヒットを記録した。初期のサイケっぽさは完全に消え去り、また『狂気』のような難解さもないという部分で「受け容れ易い」という面があるのは事実だが、あまりにも形骸化した“ピンク・フロイド的様式美”を自らがなぞっている…という感じが強すぎるような気がしないでもない。またデイヴ・ギルモアのギターも過剰なまでに“泣き”を演じていて、昔からのファンとしては聴いていて苦笑しそうになる。フロイドらしからぬ妙に明るい曲もあって、戸惑ったファンも多かったはず。ただいつもながら感心させられるのは、この冷んやりした刃物を連想させる冷徹な音空間を彼らは当たり前に構築してしまうという事だ。これは紛れもなくフロイド独自の世界であり、その意味ではアッパレと言うほかはない。「大物」と言われるアーティストらは一聴して誰もがわかる“型”のようなものを持っているが、まさに「ピンク・フロイドとはこれだ」というスタイルがこのアルバムにも確実に存在しているのは事実だ。それが果たして“プログレ”と言えるのか…という意見もあるかもしれないが、そういう見方をされる事も見越した戦略的な意図があるのかもしれない。私的に言えば、これは「ピンク・フロイドの様式美、スタイルがフワフワと浮いている」という印象が強いのだが…。
泣きのギター満載
全編が美しい。デイヴ・ギルモアのギターが泣いている。それにギルモアのヴォーカルも最高だ。
特に『転生 Coming back to life』の美しさは突出している。
プログレ風泣きギターアルバム
ギターバンドが好きな私としましては、ギルモア・フロイドは個人的には非常に贔屓にしてしまう音を持っていますので理性的な評価は難しいです。ただ、従来のピンクフロイドと比べると数段聞きやすく、ここの差がロジャー・ウォータスの存在か?などと勝手に解釈しております。聞きやすい分だけやや軽くみられているかもしれませんが私は好きですね。まさに「プログレ風泣きギターアルバム」です。昔、ドイツにマイケル・ローザーというギタリストがいた記憶がありますが音質は似たものを感じます。こちらはもっと宇宙的でしたが。ジャケットそれだけを見て過ごせる時間を提供できるバンドが少なくなりました。もっともCDでは昔のレコードジャケトと同じ表現をするのは無理があるのも事実ですが。もうぼちぼち最新版を出して欲しいですね。
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